『SaiCLE』 No.001 地盤調査と結果について

こんにちは。斉藤です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、『SaiCLE』 No.001 の地盤調査を行いましたので綴ってまいります。
調査報告書(表紙)」
[地盤調査結果はとても良好でした。]
・地盤の強さ(許容地耐力):32kN(約3.2トン)の力に耐えられる。
・推定される沈下量:最大1.6cm、建物全体の傾きは1/1000以下。
という数値でした。
No.001 の許容応力計算の設計値から安全を確認できる値であり、
調査報告書でも「直接基礎(べた基礎)で建築可能」の判定です(+20年保証付き)。
つまり沈下が起きにくいということで、良地盤はなによりでした。加えて液状化も心配なし。
※補足
許容応力計算のリンク:8つの循環の詳述 [耐震+制震編]|
[家を建てる前に欠かせない「地盤調査」]
家づくりで意外と見落とされがちなのが、土地の強さ = 地盤です。
どんなにしっかりした家を建てても、地盤強度が弱ければ家が傾く可能性があります。
加えて傾きににより身体の不調原因にもなってしまう恐れもあるのです。
そこで行うのが「地盤調査」です。2000年(平成12年)の建築基準法改正と品確法の制定以降に義務化されました。
地盤調査の様子
[調査方法]
以下の調査方法を併用しておこなっています。
①スウェーデン式サウンディング試験(SWS)
調査機に取り付けたロッドの先端にかかる荷重(もしくは回転数)から、地盤の強度を測定します。
土質は「ジャリジャリ」といった音や感触を頼りに推定しています。
②スクリュードライバーサウンディング試験(SDS)
荷重や回転トルク、1回転の貫入量を計測。ロッドの周辺摩擦も考慮します。
深度ごとの地盤強度と数値・地形データから土質を高精度に分析できます。
[建物荷重と地盤の強さを比較する「接地圧」について]
家の重さはすべて基礎を通して地面に伝わります。
このとき、地面にどれくらいの圧力がかかるかを計算したものが「接地圧」です。
地盤の強さを決める( 許容地耐力 )
地盤調査の結果から、この土地では1㎡あたり32kN(約3.2トン)まで安全と分かりました。
『SaiCLE』No. 001の設計値では 、有効地耐力 fe’ = 26.4kN/㎡としてより安全側に設定しています。
建物荷重( 最大の接地圧 ) を求める
建物本体+屋根+内装+家具+人など、将来かかる荷重を全部足して計算します。
接地圧を求める
計算した建物の重さを基礎の面積で割ると、地面にかかる平均的な圧力(接地圧)が出ます。
結果
建物の重さ(最大の接地圧):17.382 kN/㎡
地盤が安全に支えられる強度(設計値)(fe’):26.4 kN/㎡
比率:0.658( 17.38 ÷ 26.4 )
つまり、地盤が支えられる力の約66%しか占めていないことになります。
このように許容応力計算によって以上のことが判断できるため、補強 (杭) 工事の必要性の有無が確認できます。
地盤調査で杭判定となっても実は必要にならない可能性もあるわけですね。
[最後に]
住宅の性能も大事ですが、家を支える地盤が安心であってこそ。
地盤調査は「家づくりの健康診断」のようなものです。調査方法も併せて調べてから設計・施工することで、長く安全・安心に暮らせる家になります。
以上になります。ご一読くださり、誠にありがとうございました。
自然素材・高気密高断熱・住宅性能を大切にする工務店 斉藤建築工業㈱
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