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令和7年度4月施行される「2025年建築基準法改正」について

2025.04.01  Blog

こんにちは。茨城県筑西市の高気密高断熱工務店、斉藤建築工業の斉藤知広です。

3月末となり桜が咲き始めました。桜と言えばお花見ですね。私も家族と毎年恒例のお花見ポイントに出かけています。

そのポイントは、筑西市の母子島遊水地という小貝川調整池です。池を囲みようにソメイヨシノが植樹されていまして、水辺と筑波山を背景に花見ができる絶好のロケーションです。この時期はレジャーシートを広げたり、立ち見をしたりと楽しむ方で賑わっています。

私はというと子供たちと釣りをしながら楽しむのが恒例で、自然と触れ合いながらのんびりと桜を目にできるため素晴らしい環境です。

今週には満開を迎えるようなので今年も行ってみたいと思います。とてもおすすめですよ。

↑去年の様子。

↑ 釣れたカワムツ。

また、筑西市の名所「ダイヤモンド筑波」が見ることができるスポットになっています。10月下旬と2月の中旬の年2回、ここから望む筑波山の頂から太陽が昇ります。その光景から「ダイヤモンド筑波」と名付けられ、毎回多くの方が見に来られているようです(私はまだ見たことがなく今後の楽しみ)。

 

さて今回は、4月から施行される2025年建築基準法改正について綴ってまいります。

住宅を建築するにあたって大きな法改正となるため、住宅業界では大きな話題となっています。どのような内容になっているか概要を見ていきましょう。

今回の改正では大きく二つ分けることができます(令和7年4月1日以後の工事着手から適用される)。

 

① ≪建築基準法第6条4号建築物の特例縮小(仕様規定)≫

4号建築物特例とは、都市計画区域等内における木造平屋・2階建て500㎡以下の新築住宅は、建築確認申請において建築士が構造の計算検討を必ずおこなうことを前提に、その検討図書を確認申請の審査対象から省略する特例を指します。つまり提出しなくても免除されてきました。

2025年4月からこの特例の範囲が縮小されます。2階建てまたは200㎡を超える新築住宅は「(新)2号建築物」に変わり、構造の計算検討図書の審査対象となります 。都市計画区域等内における200㎡以下の平屋は変わらず提出が省略される「(新)3号建築物」となります。

 

[何故縮小するのか?]

国の主旨として、構造安全性の基準適合を確認申請の審査を通じて確実に担保し、消費者(施主、購入者)が安心して住宅を整備・取得できる環境を目指すことにあります。

現在、新築住宅において話題の「GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅補助金(最大160万円)」がよい例と思います。屋根に太陽光パネルの搭載が必須です。パネル積載量(kW)は、ZEH(一般地、寒冷地の場合)を満たす必要があり、断熱性能と設備システムによって異なります。屋根に沢山パネルを載せなければZEH基準に届かない場合、より重量がかさみ構造負担がより大きくなるわけです。大きな地震が起きればより屋根が大きく揺れ、住宅の損傷や倒壊の危険性が高まります。

リンク:国土交通省

縮小前は、屋根材に瓦を使用した「重い屋根」か、ガルバニウム鋼板等を使用した「軽い屋根」の選択検討しかなかったため、太陽光パネルの重量は検討項目にありませんでした。

 

[縮小するとどうなるのか?]

縮小後からは、「屋根材」、「太陽光パネル」、「外壁」、「断熱材」の重さも加味した地震、風圧に対する構造検討をおこないます。また荷重を支える柱太さの基準も変わります。これにより屋根が揺れ難くなるので、結果としてより地震に強い構造につながるのです。(新)3号建築物」は変わらず省略可能なので、主旨に対して本当に良いのかなと思いますが。

 

以上が「仕様規定」の構造検討における、≪4号建築物の特例縮小≫ の概要です。

仕様規定とは、各階床伏図等の提出を求めない代わりに、上記の構造検討と必要事項を仕様書に記載する形を指します。

 

[補足]

・仕様規定の耐震等級

実は今回の改正によって耐震性能が向上したとしても、仕様規定の耐震性能はあくまでも「耐震等級1」です。

「耐震等級1」とは震度5強程度の地震に対して「損傷」を生じない程度。震度6強から7程度の1度の地震に対して「倒壊、崩壊」しない程度の強度であり、倒壊、崩壊に至らなかったとしても建物が傾いてしまう可能性があります。また余震の倒壊、崩壊の危険性から家での生活を継続できず、住む場所を失うことになりかねません。あくまで大地震から1度だけ家族の命を守る耐震性能です。

・GX志向型住宅の耐震等級

「GX志向型住宅」には、耐震基準が設けられていません。そのため、仕様規定の「耐震等級1」です。ご検討されている方は、「性能表示基準(長期優良住宅等)による耐震性能3」以上を強くおすすめいたします。建築会社さんに確認・相談をしてみてください。

・SaiCLEは、「許容応力度計算による耐震等級3」としています。これは「性能表示基準(長期優良住宅等)による耐震性能3」を超える、より強固な耐震性能です。加えて制震ダンパーも標準仕様としているため、震度6強から7程度の地震に何度も耐えるだけでなく、損傷も極力抑える性能を有しています。

リンク: SaiCLEの耐震+制震について

 

②≪省エネ基準 適合義務化≫

次は、省エネ基準 適合義務化です。これは、日本のエネルギー消費量の約3割を占める建築物分野における取組が急務となっているため、地球温暖化対策として政策を講じるものです。

2021年4月1日から建築士による住宅性能の説明が義務化されました。令和6年度3月末までに着工する新築住宅が対象です。説明義務とは、建築する住宅の「外皮熱貫流率(UA値)」、「EBI」、「冷房機の平均熱取得率(ηAC)」を建築主に説明する必要がありました。これにより年間光熱費が凡そ予想することができます。省エネ性能が低い場合、建築士は建築主に省エネ性能を高める提案と向上の努力義務がありました。

外皮熱貫流率(UA値)とは、建物内部の熱が外部へ逃げ難さです。値が低いほど室内の温度を一定に保ちやすく快適性が向上します。

↑  地域・断熱等級別のUa値 一覧表

リンク:断熱性能について

EBI(Building Energy-efficiency Index)とは、建物で消費される電気やガスなどのエネルギー量「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」という値で割った結果がBEI値です。数値が小さいほど省エネ性能が良く、光熱費も安くなります。

冷房機の平均熱取得率(ηAC)とは、太陽日射の室内への入りやすさの指標です。値が小さいほど日射が入りにくく、遮蔽性能が高いため冷房効率が高まります。

↑  地域別の ηAC値基準

 

[令和7年4月1日以降に着工する新築住宅]

・断熱等級4以上(5地域(筑西市)における 外皮熱貫流率(UA値)0.87 W/m²・K)

・EBI_1.0以下

・冷房機の平均熱取得率(ηAC)_3.0以下

これら3つに適合しなくてはなりません。この性能基準を下回る住宅は建築不可となりました。

以上が ≪省エネ基準 適合義務化≫ の概要です。

 

[補足]

SaiCLEの省エネ性能は、

・5地域における断熱等級7 _Ua値0.23W/m²・K _HEAT20_G3

・EBI _0.19(基準の1/5 以下)

ηAC_0.9(基準の1/3以下)

となっています。数値で比較することで SaiCLE が如何に省エネルギーで高断熱であることが分りますね。

↑ 建築研究所HPより SaiCLE 一次消費エネルギーを算定

 

[最後に]

2025年建築基準法改正施行から、①、②の検討図書を添えて確認申請をおこないます。今回の改正は大きな変更であるため、受付ける各申請機関にとっても負担となります。審査から確認済交付は、これまでよりも時間を要するとみられます。

実際どれくらい掛かるか始まってみなければ分かりません。加えて、審査項目が増えたことにより申請費用を値上げする機関が増えているようです。しかし、これから新築を建てられる方にとって、より安全性の高い住まいにつながります。時間と費用が掛かるかもしれませんが、一生に一度のマイホームをしっかり審査するためと捉えていただければと思います。

 

この度もご一読いただき、誠にありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

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