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『ずっとずっとGreen oasisに暮らす』8つの循環の詳述 [耐久性 編]

2025.05.18  Blog

こんにちは。斉藤です。

今回のブログは、『ずっとずっとGreen oasisに暮らす』を生む8つの循環の詳述 [耐久性 編]になります。耐震、断熱、気密の言葉は、浸透してきていますが、「耐久性」は聞き馴染みがない方は多いと思います。住宅の寿命に関わる大切な性能であり、日本の住宅寿命が30年と言われていた原因の一つなのです。

 

説明の前に、今年7月から「SaiCLE」第1棟目の新築工事が始まります。今後、工事進捗状況の掲載や構造見学会の開催も計画中です。

第1棟目の「SaiCLE」は、敷地に余裕があるため1階に「和室3.5畳」と「外物置1畳」をプラスした間取りとなります。

延床面積は、約30.50坪。基本プラン(28坪)は、無駄な動線・廊下を省き、本当に必要な面積に割いているので、部屋・広さをプラスしても30坪台です。結果、建築コストを抑えることもつながっています。

 

1階 「和室3.5畳」、「外物置1畳」をプラスした間取り

 

和室3.5畳は、子供遊び場、ゲストルーム、ごろんと横になるヌックスペース、将来的な寝室など様々な利用ができます。

また、和室だけではなく アウトドアが好きなご家族には、 ” 土間リビング ” にすると、LDKと一体利用できて暖炉も楽しむことができますね。自転車が趣味の方は、そのまま土間に持ち込めます。

外物置は、下屋にあるため雨に濡れることがありません。車のタイヤ、DIY用具、アウトドア用品、家庭菜園用具、ゴミ置きなど室内に持ち込みたくない物の収納に便利です。

譲れないライフスタイルをプラスαすることできる、無駄のない合理的な間取り。そして、安心、安全、健康・環境配慮・建築コストを追求した、自然素材の高性能住宅。いかかでしょうか。

 

外観パース約 30.50 坪(外構はイメージです)

 

 

今後の計画している構造見学会では、

・国内最高クラスの断熱等級7_UA値0.23(5地域)の断熱材

・耐震等級3(許容応力度計算)の構造 + 制震(速度依存型ダンパー)

・気密性能 (C値0.3以下)の施工

・耐久性能(基礎、通気、防湿防水、気密専用部材)

・空気清浄機+換気システム

・地域材の構造ヒノキ材

をご確認いただけます。

「8つの循環」の内、上記の項目は完成時に隠れてしまうものです。ご家族の安心、安全、健康を支える一生に一度のマイホーム計画にご見学をおすすめいたします。

構造見学会の日程は、決まり次第HP、ブログにてアナウンス予定です。

また、工事進捗のブログ掲載もお楽しみにしていただけましたら幸いです。

 

それでは、 [耐久性 編] の詳述になります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

4. 耐久性能

「通気」 「高耐久 透湿・気密・防水部材」 「基礎コンクリート強度 30N/mm²」

 

[住宅の耐久性]

日本は住宅分野において、世界の基準から大きく遅れを取っているのが現状です。住宅の断熱・気密性能だけではなく、耐久性能においても同様です。ヨーロッパ各国では、トレンドやデザインよりも「いかに快適に長く暮らす環境を作るか」に重点が置かれています。断熱・気密性能に加えて耐久性能を重視した家づくりが一般的なのです。例えば住宅性能の先進国であるドイツの緯度は、東北、北海道と同等の位置にあり、冬の寒さは大変に厳しい環境にあります。それにもかかわらず、ドイツには築年数が100年を超える住宅が多く存在しています。それらの住宅は、断熱・気密性能が非常に高く、年間を通じて快適な住環境が保たれています。

このような住宅を実現するためには、断熱・気密性能だけではなく、「通気」、「高耐久の透湿・気密・防水部材」、そして「材料」が必要不可欠です。これにより長寿命な家づくりが可能になります。

これら部材は隠れてしまう部材が多く、住まいづくりにおいて一般的に目立った存在ではないのかもしれませんが、外すことのできない縁の下の力持ちなのです。

 

[通気について]

例えば、洗濯物を干すときに例えるとイメージが付きやすいと思います。

特に通風を確保して湿気をこもらせないことが大切です。雑菌が繁殖し、臭いや繊維傷みに加えてカビが起こりやすくなります。

住宅でも同様です。雨漏れや浸水が発生した場合、水分を含んだ外壁の裏に通気層を確保することで乾燥を促し、住宅寿命を延ばすことにつながります。

加えて通気層を挟むため、構造躯体の柱などを乾燥させます。

通風が取れなければ水分が抜けづらいため、外壁の剥がれやカビの発生、柱などの構造が傷み住宅寿命短くしてしまいます。

※補足:通気層を設けない確立した工法もあります(湿式工法)。断熱材(外壁)や建材自体に通気性能があるものを使用。Sto外断熱システムなど。

リンク:Sto 外断熱システム

また、屋根や小屋裏空間にも通気層を設けることが一般的です。湿気や夏の熱気を効率よく外に逃がすことで、住宅寿命を延ばすだけでなく室内への熱移動を下げる効果があります。

以上の通気層を設ける施工を “通気工法”と呼び、1980年代後半に北海道で発案され通気工法が全国に広く普及しました。

 

SaiCLE 壁、屋根通気 イメージ

 

[耐久性能の断熱材「FPパネル」]

断熱性能、気密性能に優れた「FPパネル」ですが、耐久性能も優れています。ウレタン断熱材が木枠によって四方を取り囲んでいるため、ウレタンの収縮が抑えられるのです。

また、「FPパネル」は非常に低い吸水性を持ち、湿気を吸収して劣化する可能性がほとんどありません。その証として断熱材と唯一「無結露50年」を補償しています。

そして、持続可能な断熱材でもあります。建物を解体する際に「FPパネル」を取り外すことで、新たな建物にリユースが可能なのです。これらを含めた特徴から「FPパネル」を採用しています。

 

・補足

FPパネル」と同じくウレタン断熱の「ウレタン現場発泡断熱」は、柱・梁・耐力壁に直接吹付けをおこなうことが一般的です。この場合、湿気、温度による収縮や大地震の揺れによる剥離の可能性。表面のスキン層カットによって湿気を吸い込みやすくなる可能性。建物を解体した際、ウレタン固着による処分が環境負荷の可能性があると考え採用しませんでした。

 

 

 

水害に耐えたFPパネル:

1998年の高知豪雨では高知市の総合住宅展示場が大きな被害を受け、「FPの家」のモデルハウスも床上2mまで泥につかりましたが、約3週間で原状回復。

5年間の展示期間を終え、解体現場をご覧になったお客様がFPパネルの性能に感心され、モデルハウスのパネルは新たな「FPの家」に生まれ変わりました。

 

・FPパネル

伝導率(λ値) 0.019W/m・K

熱抵抗値(R) 5.5 m²・K/W (厚み105mm)

リンク:FPの家

FPパネル紹介動画リンク:『FPの家』強さのヒミツ~これ、ただの断熱材じゃない~

 

[耐久性能の優れたウルト製の通気・透湿・気密・防水部材を採用]

通気・透湿・気密・防水部材は、高性能住宅先進国であるドイツメーカーの「ウルト」を使用しています。断熱材と同様に後から取り換えが難しい部材であり、「SaiCLE」の長寿命化を図るうえで外せません。

屋根野地の防水には、透湿性能を持たせた防水ルーフィングシートに加えて通気を確保する専用シートと通気部材を使用しています。壁の防水には、耐界面活性剤性能を有する透湿防水シートを使用しています。サッシ取付け取り合い部には専用防水テープを使用することで長寿命化を図りました。

また、気密処理には、木材の乾燥収縮に追従し、長期に渡り気密断熱性能を確保する弾性ウレタンフォームを施して気密性能を高めています。加えてサッシ(窓)周りにおいては、気密、防水性能の高いテープ使用しました。

 

屋根 野地防水には、透湿性能を持たせたルーフィングシート + 通気を確保する通気メッシュ部材(写真左)を全体に使用

 

 耐界面活性剤性能を有する透湿防水シート(空気を通し水分を通さない)

 

天井 屋内側から壁内に湿気の浸入を防ぐ気密を兼ねたベーパーバリア専用シート

 

サッシ(窓)  気密、防水性能の高いテープを使用

 

以下、ウルト使用部材

・壁 透湿防水_シートウートップ ハイムシールド + 気密防水テープ ユラソール

・野地防水ルーフィングシート_ウートップ ハイムシールド ルーフ25K + 防水テープ ユラソール サーモHT

・野地通気シート_ウートップ ベントシート

・野地通気部材_ベントエッジ

・天井防湿・気密シート_ウートップ SDヴァリオ ツヴァイ+ 気密防水テープ ユラソール

・気密処理 弾性ウレタンフォーム_ ピュアロジック フレックス

・サッシ周り 弾性ウレタンフォーム_ ピュアロジック フレックス

・サッシ取付け取り合い部_コーナー用気密防水シール

 

ウルトジャパン株式会社リンク:ウルトジャパン建築部

 

[基礎コンクリート強度 30N/mm²]

SaiCLE」は、安心・安全・健康的で孫子の代にも渡る持続可能な資産価値のある住まいとしています。そのため、基礎のコンクリートにおいても耐久性が優れていなければなりません。木造住宅の基礎コンクリート耐久年数は、強度(N/mm²)によって異なります。「SaiCLE」は、耐久年数 約100年 とされる高強度の30N/mm²を採用しました。

 

21N/mm²

・耐久年数 約5060

・特徴

21N/mm²の強度は中程度の構造に適しており、一般的な住宅に広く用いられています。

 

24 N/mm²:

・耐久年数 約6070

・特徴

24N/mm²の強度は、耐久性と安定性を求める住宅に適しています。

 

27 N/mm²

・耐久年数 約7080

・特徴

 27N/mm²の強度は、より高い耐久性を求める建築物に適しており、重い構造物にも対応します。

 

30 N/mm²

・耐久年数 約100

・特徴

30N/mm²の強度は非常に高く、大規模な構造物や特に長期間の耐久性が求められる建築物に適しています。

 

 

いつ何時発生するか分からない巨大地震に耐えるためには、耐震・制振性能だけではなく、住宅の基礎であるコンクリートを高強度とすることで、より安心と安全につながると考えます。

 

以上のことから『SaiCLE』は家族と地球の未来のため、

徹底した通気、高耐久の透湿・気密・防水部材、基礎コンクリート強度 30N/mm² を選択しました。

 

長文のご一読ありがとうございました。次回は、「換気性能+外気空気清浄機」の詳述となります。

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

 

自然素材・高気密高断熱・住宅性能を大切にする工務店 斉藤建築工業㈱

 

ブログバックナンバー

ずっとずっとGreen oasisに暮らす』8つの循環の詳述

1.  耐震+制震 性能 編 

2. 断熱 編

3.気密 編

HPトップページリンク:SaiCLEトップページ

 

 

 

 

 

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