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持続可能性。「石坂産業㈱」様を見学しました。

2025.06.10  Blog

こんにちは。斉藤です。

いよいよ北関東も梅雨入りとなりそうですね。妻からは最近よく「食あたりに気を付けて」と言われます。私の食べ物もったいない精神が危険なのでしょう。。

 

さて、5月22日、(一社)ロングライフ・ラボ様が主催で、埼玉県入間郡三芳町に拠点を置かれる「石坂産業㈱」様の見学会に参加してきました。廃材リサイクル企業の日本トップランナーであり、海外からも視察が来られる、業界では有名な企業様です。当然、私も尊敬してなりません。

実は、今回の2回目の見学でして、初参加は10年ほど前になります。当時、石坂社長が直々に会社の成り立ち、度重なる困難、現在に至る持続可能な企業思想と取り組みを講演いただき、感銘を受けました。それからは、石坂社長の Facebook から確固たる想いや企業が進化していく過程を拝見していましたが、それが『SaiCLE』誕生においても影響を受けています。建築に従事する上で廃材が少なく、長寿命で解体に於いても環境に優しい住宅を模索し始めたきっかけでもあるのです。

また行きたいなと思っていましたが、個人では見学申し込みはできないため、今回、(一社)ロングライフ・ラボ様よりお誘いをいただき、10年ぶりの機会となりました。『SaiCLE』モデルハウスが完成したタイミングでもあり、持続可能な企業思想を掲げる私としても、今一度それを現地で感じて弊社の立ち位置を再確認する機会にもなります。張り切って参加してまいりました!

リンク:石坂産業株式会社

 

補足:(一社)ロングライフ・ラボ は、住宅・健康・環境の持続可能な情報提供活動に取り組まれる団体です。

リンク:ロングライフ・ラボとは|一般社団法人ロングライフ・ラボ

 

100% リサイクルを目指す「石坂産業㈱」の本社屋です。また来れて嬉しい! 今では年間6万人が見学に訪れています。スゴイ! 

ロングライフ・ラボでの参加者は30名。満員です。

 

オリエンテーションにて会社取り組みをご説明いただきました。2025 大阪・関西万博で新たな取り組みがおこなわれていること。埼玉県入間市に使用済み太陽光パネルのリサイクルプラント「太陽光パネル再資源所」を新設して受け入れを開始していること。

スゴイの一言です。 そして、社員さんが生き生きとされています!

 

構内は、産業廃棄物中間処理会社とは思えません。植栽がされていてやっぱり綺麗です。

運ばれてきた廃材は全て建屋の中で下ろすため、廃材は屋外にありません。正にリサイクル工場です。

近隣や環境への配慮が徹底されています。

 

建屋内では、受け入れた廃材をベルトコンベヤーなどに載せていきます。注目したいのは、建屋内でも日が差し込み明るいことです。

屋根にトップライトを設けることで、作業員へのストレス、照明エネルギー軽減が考えられています。見学者側にも暗い印象を与えませんね。

 

しかしながら、次から次と産廃が運ばれてきます。運ばれてくる廃材の6割以上が建設現場から出るゴミです。建物解体には沢山の建材が出ます。分別しながら解体を行うのが通常ですが、様々な化学物質を使用したの建材で出来ているため、現場で分別できずに混在として搬入されてきます。

これを分別して可能な限りリサイクルするのです(化学物質がリサイクルの妨げになる)。

 

 

機械で分別できない物は、人の手に頼って分別しています。しかし、以前よりも機械化が進み、人員が少なっていました。石坂産業㈱のリサイクル率は、現在 98% (10年前は90%)! 一般的な中間処理施設は、60%~70% と教えてくれました。

そこで処理できなかったものは、地域提携して石坂産業㈱で受け入れているそうです。それでも処理できないものは、埋め立て地の最終処分場(埋立地)へ運ばれますが、確実にリサイクル率が高まっていました。

しかし、石坂産業㈱のような処理能力が近くにない場合、全て最終処分になってしまうのではないかと思います。やはり、使用する建材は自然素材、自然由来が環境とリサイクルに良いですね。

 

それぞれの素材ごとに工程を踏んでリサイクル素材へと再生さていきます。設備投資とそのメンテナンスは相当な費用になるでしょう。

 

再生された製品です。販売されて循環さていきます。素晴らしいですね。スラッグ骨材、コンクリート砕石、レンガ、盛り土、プラスチック原料、エネルギー燃料など様々です。エネルギー燃料については削減を目標にされていました。

 

処理施設を見学後、「くぬぎの森」を散策。隣接しており里山として一般開放されています。もともとは不法投棄が絶えない雑木林を見かねた石坂社長がこの地を借りて、不法投棄されたゴミを処分した後に里山として整備されました。

リンク:石坂産業株式会社 | 環境教育

 

昨年完成した、循環再生するバイオトイレ「トイレトワ」。Facebook で見ていて気になっていました。水を一切無駄にしない完全循環のバイオトイレとなっており、微生物の力で汚水を 100% 再生利用しています。設計は、遠野未来 氏 。自然とひとつになる建築思想をヒシヒシ感じます。とても神秘的でした。 

 

壁は、建設廃棄物をリサイクルした再生資材  80% 以上 と 消石灰のみを利用しているそうです。ここも循環ですね。

 

隣に処理施設があることを忘れてしまうほどの静けさと美しい緑です。心が安らぎます。

 

以前にはなかったツリーハウス。パワーアップしています。子供は大喜びで入っていくでしょうね!

 

「くぬぎの森」を抜けて「交流プラザ」に到着。

設計は、隈研吾氏 。

 

中では、完全オーガニック素材のパンが販売しています。カンパーニュを購入しました。素材が活かれているからいい意味で素朴です。 “これがパン”  だと教えてくれる私の大好きな味でした。正に食育です。

 

お昼にいただいたお弁当。野菜はすべてオーガニック。色鮮やかでとても美味しかったです。

また食べたい。ごちそうさまでした!

 

昼食後に(一社)ロングライフ・ラボ様のワークショップを開催しました。

次第は、見学を通しての気づき、感じたこと、私たちが出来ること。5人1グループで意見を交わしながら発表にまとめていきます。このワークショップがとても面白いのです。自問自答の感性だけでなく色々な意見を聞けることが、自身の思想の摺り合わせにも繋がり、住まいづくりの新たな点となりました。

まとめとしては、住宅建築において自然素材を使用していくこと、長寿命のものを選ぶことでゴミとなる廃材が少なくなり、環境に優しくリサイクル率も高まる。企業は地域の共存・交流を図り共に学び合うことでを自然を知り、ゴミ減らし、省エネルギーの活動に繋がる。その活動が次世代へと受け継がれる(B to B も同様)。などです。グループ同じ思いの意見でしたがこれが大切だと思うのです。

 

最後に2回目を通して石坂産業㈱の社員さんが改めて素敵に映りました。何のためにおこなっているのか。それが何になるのか。目的(会社思想)を一人ひとりが理解されて、仕事に誇りをお持ちになっている。質問では、居合わせた社員さん全員が、会社・社長を好きでいることも応答からよく分かりました。

そして、見学者と行き会う社員さんは、まるでお店に来たかのような笑顔で挨拶や細やか接客対応を自然にされています。きっと同じことだと思いました。

人づくりにおいてもプロフェッショナル。本当に来てよかった感じたと同時にとてもパワーアップされた印象でした。勉強になることばかりです。私も行動を起こし続けなければ進化がない。と、また感銘を受けた見学会でした。10年なんてすぐ過去になる。持続可能な未来のために立ち止まってはいられない。

 

ご一読ありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

自然素材・高気密高断熱・住宅性能を大切にする工務店 斉藤建築工業㈱

 

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