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[検証] 連日の雨でも室内物干しは何時間で乾く?(前編)

2025.07.22  Blog

こんにちは。斉藤です。

ブログをご覧いただきありがとうございます。

回は [ 室内物干しの乾燥時間の検証 (前編)] です。

前編、後編に分けてお送りいたします。なぜ洗濯物を干すだけでブログを2回に分けるのかと言いますと、意外に奥が深く単純に長いためです💦 今回もどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

さて先週、関東が梅雨明けしましたが、共働きやゲリラ雷雨が気になって室内干しをされる方が多いのではないでしょうか?

また、本格的な台風シーズンの到来でもあります。台風の影響で外出を控えるため、洗濯物が溜まったり、乾き難いかったりと困ってしまいますよね。室内干しをすると湿気が放出されるため、室内の湿度が上昇し、居室の居心地が不快になるだけでなくカビ・ダニの繁殖を助長します。加えて、洗濯物の乾きが遅いだけならまだしも、生乾き臭(雑菌臭)が気になりもう一度洗濯となれば、電気代、水道代も掛かってストレスも溜まります…

 

[一般的なカビ・ダニによる影響・症状一覧]

家庭用洗濯機は、洗濯脱水した洗濯物  1Kg あたり 約0.5〜0.7L の水が含まれています。そして、1人あたり1日に 1.5Kg  ほどの洗濯量が発生するそうです。

4人家族を想定すると、1日に6Kg 。この水分量は、3.0L ~ 4..2L となります。室内干しをするとそれだけ水分が放出されるため、外の湿度が高い雨天では乾き難いわけです。

 

そんなストレスが掛かる環境下、 ”  高気密高断熱住宅の『SaiCLE』でやってみるとどうなんだろう? ” っということで、

モデルハウスのランドリースペースにて検証してみました。雨天における乾燥時間の確認と、居室(LDK)への湿度流出の推移を測定します。

 

[検証条件]

①7月14日から続く台風 5号の影響下で検証。

いつものお世話になっている下館観測所から確認すると、7月15日の平均湿度 98% でした。

 

気象庁HPリンク:気象庁|過去の気象データ検索

 

換気による湿度の流入について

『SaiCLE』に全体室内容積(気積)は、約237.88㎥です。これを2時間に1回全て換気している訳ですが、外から空気と共に湿度 (湿気) も入ってきます。

雨が降っていると湿度が高いため除湿をどうやって計画するかがポイントです。

 

例えば、室内の容量絶対湿度が 10g/㎥  とした場合、1㎥ 中の空気に 10g  の水分があることになります。

全体室内容積、237.88㎥ × 10g/㎥  =  2,378.8g 

約2.38 L の水が存在していることになりますね。

 

この時、外の容量絶対湿度が 20g/㎥  であれば、単純に計算すると 237.88㎥ × 20g/㎥  =  4,757.6g 

約4.76L (+2.38 L ) の水分が2時間のうちに入り込んでしまう訳です。

「容量絶対湿度 20g/㎥」の環境は、7月の筑西市において珍しくありません。

気温28℃ 、相対湿度 80% では、 容量絶対湿度が 約 20g/㎥ になります。7月15日の日中は、同等かそれ以上の環境だったことが気象データから分ります。

 

例えば、 10g/㎥  を維持しようする場合、2.38 L (4.76L の半分)の水分を2時間ごとに排出する必要がありますから、

一般的には、エアコンを複数台ドライ稼働させたり、除湿器を使用します。2時間に 約2.38 L  は、なかなかの量です。

且つ上記の通り洗濯脱水に含まれる水分量は、4人家族で 3.0L ~ 4.2Lです。これも同時に乾燥させるのはより大変になります。

 例え除湿できたとしても、電気代が掛かってしまいます。

では、『SaiCLE』も同じ?っというと、もちろんそうではありません。どうなったか結果をお楽しみに。

 

② 2階 廊下 6畳用ルームエアコン  1台 を可動

LDKの湿度が高まると予想して、”  ドライ ” 設定しました。

 

 

因みに、『SaiCLE』モデルハウスの  2階 廊下 6畳エアコン で ” ドライ ” を掛けて、1時間に何リットル除湿できるか量ってみました。

この時、2階廊下での容量絶対湿度が 約 10.60g/㎥ です。 排水ドレーンに600mL のペットボトルを装着。

20分弱で大体半分になりました。どんどん溜まります。

溜め始めて35分で600mLが一杯になりました。

エアコンの天然水です (笑

計算したところ1時間で 約1.03L の除湿量でした。

 

③ ランドリースペースの通風と換気状況

 

・サーキュレーターを稼働(壁掛け)。

・キッチン側のドアを締切。

・廊下側と浴室のドアは開放。

・浴室の換気扇を稼働。

 

乾燥の流れ

1.  2階のエアコンでドライ(乾燥)の空気を作り出す → 2.   浴室換気扇によってランドリースペースへドライの空気を引き込む → 3.  サーキュレーターで洗濯物の乾きを促進  →  4 .  浴室の換気扇から水蒸気を排出 となります。

つまり、高気密・高断熱でなければできない手法です。

浴室の換気扇の換気量は、85㎥/h です。2時間で 170 ㎥を排気できます。

なかなかの換気量なので、ランドリースペースで発生した水蒸気をスムーズに排出できそうです。

 

補足

 SNSやYouTube で階段や吹抜けに洗濯物を干すシーンを目にしますが、水蒸気の排気経路を考えておかなければ各部屋に分散してしまいます。

それぞれの居室湿度が高くなる可能性が有るので、ジメジメ時期は配慮が必要です。また、冬時期は加湿になるのですが湿気が溜まりやすい場所は注意しましょう。

 

④午後2時30分から室内干しを開始

ゲリラ豪雨が発生する時間帯も想定しています。

 

 

7月15日の当日は、台風の影響で雨が時折強くなったりとしていましたが、

そんな中でも8.8kW の太陽光発電はしっかりと発電していました。買電を行わずにエアコン、洗濯機、換気設備、冷蔵庫の電力全て賄えています。天気が悪くても容量が多ければ、とても頼りになります(雨でも売電までしっかり)。

 

 

⑤洗濯物の量

 

バスタオル6枚

フェイスタオル9枚

バスマット1枚

ベビー用敷パッド1枚

 

以上の条件で室内物干しを行いました。

気になる結果は次週の後編にて。是非お楽しみにしてください。

もちろん良い結果でしたよ (^^) 意外性も有りでした。

 

最後までご一読いただきありがとうございました!

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

自然素材・高気密高断熱・住宅性能を大切にする工務店 斉藤建築工業㈱

 

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