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[検証]お風呂の湯水で加湿できる? 後編

2025.11.12  Blog

こんにちは。斉藤です。

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

[今回のブログは、お風呂の湯水で加湿できる? ] 後編となります。

前編のリンクはこちら:お風呂の湯水で加湿できる? 前編

その前に、気になっていた名建築家 堀部康嗣氏のご著書を先日手に取りました。

「住まいの基本を考える  ―情緒と機能性。」

自然を取り込み、逆らわない。景観に溶け込み共存する建築。機能美だけではなく情緒も取り入れることでより良い居心地に繋がる。

堀部氏の建築思想は、自然摂理、探求心、道徳心、倫理感、人生哲学から生まれている。建築アプローチはその原理原則であると説かれているように感じました。大変勉強になります。私は、恥ずかしながら設計事務所で学んだ経験がありません。名建築家の先生が執筆いただけるお陰で建築の学びを得られるのは大変ありがたいことです。意匠や間取りの真似ではなく、私なりの ” 建築ってこうしてもいいんだ ” 、 ” 謙虚に生きる建築とは ” など、気づきと俯瞰になりなりました。原理原則と注力による美しさ。建築の奥深さをまた少し知ることができたような気がいたします。

ジャンルは問わずに気になる本を毎月1冊は読むことを目標をしています。私の読書スタイルは、しっかりと時間を作って黙々読むことが症に合っているようです。毎日少しずつでも良いのですが、前のページに戻って読み返すことが多くなり、集中が途切れてしまうためページの進みが遅くなるようです。” 鉄は熱いうちに打て ” 違うか (^-^; 昔は本を読むのが苦手でしたが不思議なものです…

 

それでは後編になります。

先ず、結果からお伝えしますと、やっぱり 「 効果は小さい」 と判断しました (残念)。

やってみたら効果がしっかり出た!」なんてことを期待していましたが現実は甘くなかったです。

加湿器はやはり必要かもしれません…

どのような感じになったのか、測定開始から各室の結果を綴ってまいります。よろしくお願いいたします。

 

[測定開始]

夜の入浴を想定して17時30分にエコキュートからお湯を張ります。お湯の設定温度は40度。湯量は200Lです。

次にランドリー、LDK、洋室(子供室)、寝室数値をそれぞれ載せていきます。

[ランドリーの推移]

[LDKの推移]

[洋室(子供部屋)の推移]

[寝室の推移]

以上の測定結果となりました。

10日17:30 以降、「容量絶対湿度※1 、重量絶対湿度※2」共に上昇がはっきり見て取ることができません。ただ、ランドリー室はかろうじて開始から効果が表れたように見えますが、肝心な各居室は反応が無いと言って等しい結果となっています。

備考

※1 容量絶対湿度 (g/㎥) 空気1立方メートル(㎥)中に含まれる水蒸気量。

※2 重量絶対湿度 (g/kg・DA)  乾いた空気1kg中に含まれる水蒸気量。

 

[検証結果の見解]

ランドリー室の排気口と蒸気の発生量が圧倒的に少ないことが原因と考えます(各居室にも排気口はありますが、数値に反応がないため)。

余談ですが、モデルハウスは常時無人のため、生活蒸気が起こらず湿度変化が分かり易いですね。

高気密、全熱交換の性能を期待していましたがあっけない結果でした。何となくですが浴槽で発生する蒸気はレンガやコンクリートの蓄熱放出に近い動きに感じます。寧ろ同じことなのでしょう。

それでは、以上を基にどうしたら効果が発揮できるのか?その可能性について、ここから妄想(仮説)を立てて次回、試していきたいと思います。

①圧送ファン(送風ファン)の風量と取付位置が問題。

圧送ファンを大きいものに交換して風量を大きくすることで、蒸発がより促され湿度上昇に寄与するかもしれません。これは近々交換してみたいと思います。また、” たられば ” ですが、ファンの取付位置が浴槽の直上ならばより良かったのかもしれません。今となっては変更が難しいですが、今後ファンの取付位置は浴槽直上に変更してみたいと思います。

また、実生活においては少々手間になりますが、サーキュレーター(扇風機)の使用もアリかもしれませんね。

 

②浴槽の湯量を増やす。

200L → 220L に増やして熱容量をより蓄えられるようにすることで冷めにくくなり、蒸気放出量が増えるのではないかと考えます。

 

③高温で追い炊きする (実生活を想定)。

40℃でお湯を張っていますが、そもそも浴槽に溜まるまでに少しずつ冷めていくと考えます。浴槽内のお湯を実生活の残り湯に見立て、高温で追い炊きをすることで、水蒸が多く発生するのではないかと思います。何℃にするのが良いのか全く分からないので、55℃でやってみたいと思います。また、リクシルの浴槽コート剤は70℃でも剥がれない耐久性があるそうです。加えて、一般的なエコキュートは最高60℃までの給湯温度となっているのが多い。

 

以上のやり方で試してみたいと考えています。

また、洗濯物と一緒に行ってみるとどうなるか? これも期待できますが、先ず浴室蒸気だけでどこまでできるのか知りたい。そのため、これは次回以降の検証にしてみたいと思います。

そう簡単にはいかないからこそ工夫してみる楽しさがある。そこからお施主様の家づくりにフィードバック出来るといいなと思います。

 

この度もご一読いただきありがとうございました。次週もどうぞよろしくお願いいたします。

自然素材・高気密高断熱・住宅性能を大切にする工務店 斉藤建築工業㈱

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